組織のウェルビーイングを育む体験デザイン

組織開発

「知識」だけじゃ動けない?体験のデザインで組織のウェルビーイングを育む

心が動く「体験」を通じて、チームの心理的安全性とエンゲージメントを高める実践的アプローチを紹介します。

知識だけでは人は変われない

僕たちのサイト「Wellbeing Experience Hub」では、組織のウェルビーイングを「体験」を通じて育むことを大切にしています。最近、いろんな会社で「心理的安全性」とか「エンゲージメント」っていう言葉が聞かれるようになって、関連する本もたくさん出ています。でも、本を読んで「なるほど!」って思っても、次の日から自分の行動がガラッと変わるかっていうと、正直、難しいじゃないですか。頭ではわかってるんだけど、体がついてこない、みたいな。このジレンマって、きっと僕だけじゃないと思うんです。

なんで知識だけだと人は変われないんだろうって考えたとき、やっぱり「心が動く」瞬間がないからなのかなって思うんです。誰かに「こうしなさい」って言われたことより、自分で「あ、これだ!」って気づいたことの方が、ずっと心に残るし、行動にも繋がりますよね。

ラーニングピラミッドが示す「体験」の力

ラーニングピラミッドという学習定着率を示す有名な図があります。この図によれば、講義を聞くだけだと定着率は5%なのに、自ら体験したり、人に教えたりすると75%〜90%まで跳ね上がるらしいんです。

ラーニングピラミッド:学習定着率

  • 講義: 5%
  • 読書: 10%
  • 視聴覚: 20%
  • デモンストレーション: 30%
  • グループ討論: 50%
  • 自ら体験する: 75%
  • 人に教える: 90%

出典: Edulab|世界中の教育現場で活躍する方向けの教育情報メディア

これって、まさに僕たちがワークショップでやろうとしていることそのものだなって。誰かから教わるんじゃなくて、対話やワークを通して自分たちで答えを見つける。その「体験」こそが、本当の意味での学びになるんだと、僕は信じています。

小さな体験から始める:チェックインの実践

だからって、いきなり大掛かりなことをする必要は全然なくて。例えば、僕がチームでやってみてすごく効果を感じたのが、会議の冒頭にやる「チェックイン」です。

チェックインのやり方

やり方は簡単で、「今週あった、ちょっと嬉しかったこと」を一人1分で話すだけ。たったこれだけなんですけど、始める前と後とで、会議の空気感が全然違うんですよ。

チェックインで変わること

  • 仕事モードの鎧が少しだけ外れる
  • お互いの人となりが垣間見える
  • チームの心理的安全性が少しずつ高まる
  • 自然な対話が生まれやすくなる

この小さな「体験」が、チームの心理的安全性を少しずつ高めてくれるのを実感しています。騙されたと思って、ぜひ試してみてほしいです。

日々の小さなコミュニケーションが組織を変える

結局のところ、組織のウェルビーイングって、特別な制度や派手なイベントだけで作られるものじゃないんだと思います。日々の小さなコミュニケーションや、心が動く瞬間の積み重ね。

実践できる体験デザインの例

  • 朝会でのチェックイン: 一人1分、週末の出来事や気分を共有
  • 感謝の共有: 週1回、チームメンバーへの感謝を言葉にする時間を設ける
  • ワークショップ形式の振り返り: プロジェクト終了後、付箋を使って全員で気づきを共有
  • 1on1の工夫: 業務の話だけでなく、キャリアや学びたいことについて対話する
  • ランチ学習会: 興味のあるテーマについて、持ち回りで発表する

これらは、特別な予算も設備も必要ありません。大切なのは、メンバーが主体的に参加し、心が動く瞬間を共有することです。

まとめ:血の通った「体験」をデザインしよう

僕たちは、そんな血の通った「体験」を一つでも多くデザインして、皆さんの組織に届けたい。そんな想いで、今日も活動しています。

まずは、皆さんのチームでも、何か一つ、新しい「体験」を取り入れてみてはいかがでしょうか。きっと、何かが変わるはずですよ。

今日から始められる3つのアクション

  1. 次の会議でチェックインを試す: 1分間、最近の嬉しかったことを共有
  2. 感謝を言葉にする習慣をつくる: 週に1回、チームメンバーに感謝を伝える
  3. 対話の時間を意識的に設ける: 業務の話だけでなく、学びや気づきを共有する場を作る

組織のウェルビーイングは、一人ひとりの小さな「体験」の積み重ねから生まれます。知識を得るだけでなく、実際に体験し、感じ、気づくこと。その繰り返しが、チームの心理的安全性を高め、エンゲージメントを育んでいくのです。